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長唄三味線講師の杵屋喜鶴先生へインタビューさせていただきました 

こんにちは、伝統文化オンライン運営事務局です。
長唄・三味線講師の杵屋喜鶴先生へインタビューさせていただきました!

オンラインで長唄・三味線講座を検討されている皆さまのお役に立てるよう、先生に様々な質問をぶつけてみました。

ぜひ、始める前の参考にしていただけますと幸いです。

まずは、先生のご紹介から!


杵屋喜鶴先生
長唄五世家元杵屋喜多六(重要無形文化財)の長女として生まれ、父及び人間国宝杵屋勝国師に師事する。東京藝術大学卒業後、伝統芸能継承に務める傍ら新たな長唄の可能性を模索した創作活動にも従事する。

※伝統文化オンラインでは喜鶴先生の「長唄・三味線(細棹)体験講座」を開講しています!

喜鶴先生インタビュー

先生が長唄を始められたきっかけと、その魅力にのめり込んだ理由を教えてください。

きっかけは、気がついたらやっていた、というのが正直なところですね。

のめり込んだ理由は、純粋に面白かったからです。

今はどちらかというと一律に速い曲が多いんですけど、当時は「口説き」がもっとたっぷりとしていて、感情の入った音楽が多かったんですよ。

ゆっくりなところと速いところの緩急がすごくあって、その「運び」——ゆっくりなところはゆっくり弾き、速いところは速く弾き、そのつなぎ目をどう工夫するか——を考えるのが面白くて、のめり込んでいきました。

プロとして活動される中で、一番の喜びややっていてよかったと感じる瞬間はどんな時でしょうか。

若いうちは、よく弾けた、手が回ってジャガジャガ弾けた、という魅力を感じてやっていました。

でも最近になると、緩急や強弱を駆使して何か違うものを表現できた時に、「面白いことをやれたな」と思えるのが一番楽しいですね。

ちょっとひねりが効いた表現ができた時が、やっていて良かったなと思う瞬間です。

興味はあるけれども難しそうと感じている初心者が、最初にぶつかりやすい壁や悩みはどんなことでしょうか。

よく言われる「敷居が高い」というやつですね。
中身を聞くと、大体お金が高そうというイメージと、先生が厳しそう・怖そうというイメージの二つです。

実際、私が学生の頃は厳しい先生が多かったですし、それをそのまま受け継いでいる先生もいます。

ただ、私はそういう厳しさは自分もされたくなかったので、今のスタイルでやっています。

一番大事なのは、面倒見のいい先生につけるかどうかだと思います。

三味線や長唄のように譜面があって最初から「なんとなく弾けて楽しい」と思える楽器は、子供が最初の一歩を踏み出しやすいんです。
そこで先生が「そんなことも構えられないの?」というような態度を取ってしまうと、そこで芽が摘まれてしまいます。

逆に、興味を持たせるところから丁寧に教えてくれる先生に出会えるかどうかが、続けられるかどうかの分かれ目だと思っています。

全くの未経験から始める場合、どのような準備や心構えが必要でしょうか。

楽器や特別な勉強を事前に用意する必要はなくて、それよりもまず「インターネットで自分に合いそうな先生をリサーチすること」をお勧めしたいですね。

怖い先生に習ってしまうと、それだけですぐに辞めることになりかねません。

先生と生徒の年齢の相性も意外と大事です。
例えば私の教室では、私より年下の若い生徒さんは娘の方に回すようにしています。
年齢が離れすぎていると会話が成り立たず、続かなくなってしまうことがあるからです。

あと、道具にかかる費用の相場も事前に確認しておくといいと思います。
ちゃんと相場や内容を明示している教室を選ぶことが、大事なポイントだと思います。
うちでは、必要な道具はだいたい7万円プラス消費税程度で揃うとお伝えしています。

いずれにしても、楽しくやるものであって修行ではありません。
むしろ修行するのは教える側なんです。逆になってしまっている教室も残念ながらあって、生徒側が修行のようになってしまい、先生自身は基礎をきちんと積んでいない、ということも実際にはあります。

だからこそ、最初の先生選びが本当に大事だと思います。

教室に通うのとオンラインレッスンとでは、どのような違いやメリットがあると思われますか。

これは今の通信環境によるところが大きいですね。

コロナ禍の頃、東京の先生にオンラインで習っていた時期があったんですが、当時は音声が数秒遅れて届くような状態で、レッスンとして成立するのか、と思うくらいでした。

今はZoom以外にも配信の選択肢が増えて、レスポンスもだいぶ改善されてきていると思います。

オンラインの一番のメリットは、移動しなくてもどこにいても習えるということです。例えば、地方に住んでいて普段はなかなか都市部の教室に通えない方でも、習うことができます。

そういう意味では、これまで届かなかった人に届けられるようになった、というのは大きなメリットだと思います。

先生のレッスンで、ここだけは大切にしているという指導のこだわりや特徴は何でしょうか。

嘘はつかないということですね。

ダメなものはダメとはっきり言いますし、判断が難しいところは「これ、どう思う?」と聞き返したりもします。

逆に良ければしっかり褒めますし、LINEでも「今日はよくできましたね」と素直に伝えます。

感情がそのまま出るタイプなので、嘘はつけないんです。

あと、教室では無料で月に1回、弟子が持ち回りで担当する「寺子屋」という会をやっています。長唄の魅力や踊り、囃子についての解説を交えたトーク形式のもので、その中で弟子が一人でたて三味線を弾く経験を積めるようにしています。

古典芸能を一般の方にもっと知ってもらう、広めるための取り組みとして続けています。

実際に先生のレッスンを受けられている生徒さんは、どのような変化や楽しさを実感されていますか。

「生きててよかった」と言ってくださる方がいます。

おばあさんから「もっと早くに出会えていたら」と言われたこともありますし、勉強ばかりしてきたお子さんが、見て習うという全く違う頭の使い方をすることで、それまで使っていなかった部分が動き出す、という変化を感じることもあります。

生きる希望になっている方もいますし、単純に「できるようになった」という実感がある方もいます。

一人で弾けるようになるということ自体が、楽しい時間の積み重ねになっているのだと思います。

長唄を日常に取り入れることで、日々の生活や心境にどのような良い影響があるでしょうか。

ボケる暇がなくなる、というのは大きいと思います。

コミュニケーションが大事とはよく言われますが、それだけでは足りないとも思っていて。実は道場でみんなで合わせて弾いていると、体だけが動いて頭を使わずに、気づいたら曲が終わっている、ということがあるんです。

それよりも、一人で真剣に向き合って弾く時間の方が、頭を使う分いいと思っています。

また、習うということを覚えると、人の教え方や習い方が分かるようになって、会社や家庭での人間関係が円満になる、という話もよくしています。

習い事をしたことがない人は、素直に人の話を聞くということ自体に慣れていないので、大人になってから急に「話を聞きましょう」と言われても、なかなか受け取れないんですよね。

だから、三味線でなくても何でもいいので、人から習うという経験を一度しておくことが大事だと思っています。

最後に、これから長唄を始めてみたい、体験レッスンを受けてみようかと迷っている方へのメッセージをお願いいたします。

まずは体験を受けてみて、「この先生、面白いかな」というところを見てほしいですね。腕前と面白さは必ずしも一致しないので、面白い先生であることが、まず大事なポイントだと思います。

もちろん上手であるに越したことはないですけど。数がそんなに多いわけではないので、インターネットでよくリサーチしてから選んでほしいです。

うちは長年やってきた分、先生の人数も揃っていて、年代やレベル、目指したい方向性(本格的にやりたい、着物を着て雰囲気を楽しみたい、など)に合わせて対応できると思っています。まずは気軽に体験から始めてみてください。

まとめ

喜鶴先生、ありがとうございました!

伝統文化オンラインでは喜鶴先生の「長唄・三味線(細棹)体験講座」を開講しています!

ぜひ、気軽にご参加ください。